多くのCS:GOコミュニティで長年議論されているのが、サーバーティックレートによって生じる違いです。主なCS:GOマッチメイキングは64ティックで行われますが、多くの公式戦は128ティックで動作するサーバーで行われます。しかし、その違いは何でしょうか?またなぜティックレートの違いが重要なのでしょうか?
ティックレートとは?
CS:GO、さらにはオンラインゲームにあまりなじみのない方は、ティックレートという概念をご存じないかもしれません。簡単に言うと、ティックとは、サーバーが指示セットを実行するタイミングです。指示セットとは、例えば、プレイヤーまたは物理オブジェクトが実行した様々なイベント、それらのイベントによるゲームの他の部分の反応の収集と計算、そしてプレイヤーへ結果を返すことです。サーバーは、指示セットを実行するたびに1つのティックを処理します。
単純に言えば、128ティックサーバーは、64ティックサーバーの2倍のティックを処理します。
サーバーのティックレートはヘルツ(Hz)で計測しますが、言及するときは通常、数字のみを使用します。つまり、毎秒、サーバーは特定の量のティックを処理します。したがって、64ティックサーバーは、毎秒、指示セット一式を64回処理します。1秒当たりのティック数が多いほど、より多くの指示セットを処理することができ、試合中より正確に、物理的特性を表現したり、移動したり、ヒット登録をしたりすることが可能になります。
ティックレートで評価されるのはサーバーだけではありません。プレイヤー自身のPCにも、「クライアントサイドティックレート」と呼ばれるティックレートがあります。これはユーザーが設定するレートで、サーバーの場合とは逆に、ユーザーのPC上のデータ、実行された計算や入力がこのレートで送信されます。
ティックレート間の主な違い
この記事では、CS:GOで使用される主な値である64ティックと128ティックの間の違いに焦点を当てます。Valveの公式なマッチメイキングサーバーは、64Hzティックレートのみで動作します。ESEAやFACEITなどが主催している大会やピックアップゲーム(PUG)で対戦する場合は、128ティックサーバーでプレイすることになります。単純に言えば、128ティックサーバーは、2倍のティックを処理します。処理するティックが2倍であるため攻撃の精度が上がります。つまり、それぞれの弾丸の命中率が高まります。
この2つのサーバーティックレートの違いが最も顕著に見られるのは、手榴弾を投げるときです。ジャンプしたり走ったりすることが必要な手榴弾が数種類ありますが、サーバーティックレートが上昇または下降すると、それがうまくいきません。ティックが2倍あるので、サーバーが記録するリリースのタイミングがずれ、軌道がずれます。したがって、手榴弾が着地して爆発するタイミングもずれます。
しかし、ほとんどの人は、サーバーティックレートの違いに気づくことはないでしょう。メインのCS:GO subredditで行われた調査によると、(1165 回の推測を行った)760人のユニーク参加者のうち、128ティックサーバーを使用していると正しく推測できたのはわずか41.3%でした。CS:GOの多くのことと同様に、多くのプレイヤーにとって128ティックへの上昇は、具体的な効果よりも心理的な効果の方が大きいようです。
この影響は、他のゲームデベロッパーの意思決定に見られます。最大128ティックのサーバーに対応している競技向けFPSタイトルはCS:GOとヴァロラントのみで、知名度の高いその他多くのタイトルはずっと低いティックレートのサーバーを提供しています。コール・オブ・デューティ:モダンウォーフェアはメインのマルチプレイヤーサーバーが12または22ティックで提供されており、オーバーウォッチは現在60.25ティックで提供されています。
パフォーマンスに関するその他の変数
あらゆるサーバーのティックレートをできる限り上げることが素晴らしいように聞こえるかもしれませんが、それほど単純ではありません。プレイしているサーバーのティックレートの他にも、多数の要因や変数がすべて絡み合ってゲームのパフォーマンスに影響を及ぼします。
この2つのサーバーティックレートの違いが最も顕著に見られるのは、ジャンプしたり走ったりすることが必要な手榴弾を投げるときです。
サーバーパフォーマンスに影響を及ぼす重要かつ非常にわかりやすい変数は、サーバーへの応答遅延です。これは、一般的にはPing値と呼ばれます。プロのプレイヤーが大半の時間プレイするLAN環境では、サーバーへの応答遅延はできる限り低く抑えられているため、最も精度の高いゲーム体験が可能になります。
それほど顕著ではありませんが、モニターのリフレッシュレートももう1つの変数です。プレイヤーのPCとサーバーが1秒間に64回または128回通信しても、プレイヤー自身は違いに気づかないかもしれません。競技プレイによく使用されるモニターのリフレッシュレートは60 Hz、120 Hz、144 Hzであり、サーバーのティックレートと同様に値が高いほど、モニターが1秒当たりにリフレッシュする回数が増えます。
- 記事:CS:GOの役割ガイド
サーバーのティックレートとモニターのリフレッシュレートは直接関係がありませんが、高いリフレッシュレートであることはゲームをプレイする上でやはり重要です。クライアント側のアニメーションが滑らかになり、ティアリングやラグ効果が限定され、ユーザー側でより高精度なゲーム体験が得られるためです。
カウンターストライク2は、128ティックサーバーに対応するのでしょうか?
Valveは、ティックレートを超えた取り組みを目指しており、カウンターストライク2には異なるアプローチを取ろうとしています。このゲームでは、(ティックと呼ばれる)分離した時間間隔を使うのではなく、「サブティック」を使用したシステムを採用する予定です。これは、サーバーが正確なタイミングを把握できるようValveが開発した新しいアーキテクチャです。プレイヤーの移動、発射した弾丸、および投げた手榴弾が従来よりも滑らかに感じられるでしょう。では、CS2は128ティックサーバーに対応するのでしょうか? 答えは「ノー」です。しかし、128ティックと同じか、それ以上に優れていると感じられるかもしれません。
サブティックによってゲームがどう変わるのでしょうか?
多くのプレイヤーは、128ティックサーバーでスモークグレネードの使い方を習得しました。なぜなら、CS:GOマッチメイキングの64ティックサーバーでは、スモークグレネードが思い通りに着地しない場合があるからです。CS2では、マッチメイキングとFACEITのどちらをプレイしても、この問題は発生しないでしょう。また、サブティックへの変更により、ゲームの感触が向上します。移動と射撃の精度がかつてなく高く感じられるはずです。