今年のプレーオフ進出を争う最後のメジャーリージョンとなるLPLでは、より大胆かつパワフルな対決が繰り広げられそうです。17チームのうち10チームがプレーオフのブラケットに進出し、上位4チームのみがダブルエリミネーションのブラケットで二度目のチャンスをつかむことができます。1位のJD Gaming (JDG)と2位のEdward Gaming (EDG)は、ダブルエリミネーションステージ(またはブラケットの第4ラウンド)への自動出場権を獲得しています。他のすべてのチームはガントレットを通過する必要があり、下位のシードほどより多くの試合を勝ち抜かなければなりません。1勝ごとに、1つ上のシードペアのチームと対戦することになります。
レギュラーシーズンの成績で決まる第1シードについては、特に驚くことはないでしょう。期待を裏切らないスーパーチーム、JDGです。Park “Ruler” Jae-hyukはよいパフォーマンスをし、JDGと同じく2022 World Championship準決勝で敗退した韓国の強豪、Gen.Gからの移籍が正しかったことを示しました。彼は勝利への貪欲さとメカニカルな強さを、すでにそのどちらも併せ持つチームにもたらし、LCK時代と同様、LPLでも影響力のある存在であることが証明されました。また、Zhuo “knight” Dingが、中堅チームの仲間より優れた能力を発揮することにとらわれず、勝利への期待とプレッシャーを背負いながらも、落ち着いて力を発揮している様子もすばらしいです。彼はまた、安定感があり堂々としているSeo “Kanavi” Jin-hyeokや、気まぐれなBai “369” Jia-Haoなど、前年から好調な状態が続くチームのトップレーナーたちをうまく補助しました。このチームにウィークポイントがないのは明らかです。JDGに対抗できるチームを見つけるのは困難でしょうが、国際大会ではその限りではありません。T1のようなチームには、攻撃力で打ち負かされる可能性があります。とはいえ、このチームがMSIに出場するのは確実であり、トロフィーをかけて最強チームと戦う素質があることを信じています。
ブラケット全体では、もう1つの準々決勝の出場権はEDGが獲得しています。EDGは、シリーズの勝利数ではJDGと肩を並べていますが、勝利したシリーズも含め個々のゲームではより多くの敗北を喫しており、優勢とは言えません。しかし、前述のスーパーチームをあっという間に退けたことはまた別の話です。JDGとの直接対決を制したことは間違いなく立派であり、プレーオフを迎えるにあたり考慮すべきポイントです。両チームが初戦に勝てば、ブラケット上位の準決勝で対決することになりますが、これまでの経緯からすると、EDGが勝つ可能性の高い対決となるでしょう。個人的には、LNG Esportsがこのポジションにつくと思っていたのですが、レギュラーシーズンの順位争いは三つ巴となりました。LNGとEDGは、同じ数のシリーズとゲームで同じ数だけ勝利と敗北を記録していますが、直接対決で圧勝したのはEDGの方でした。
上位チームを倒す力があるのですから、MSIのもう1の出場枠はLNGではなく、EDGに獲得してほしいと思っています。Lee “Scout” Ye-chanは、このスプリットで再びすばらしいパフォーマンスを見せ、世界チャンピオンとしての自身の価値を証明しましたが、EDGはすべてのポジションにおいて、スキルと安定感のあるプレイヤーが揃っているように思います。Zhao “Jiejie” Li-Jieは、それぞれの役割に全力を注ぐ他のレーンのプレイヤーにとって、完璧なファシリテーターとなっています。EDGは、上位チームの中では最も一体感のあるチームだと思います。
非常に驚いたのは、Invictus Gaming (IG)がプレーオフ進出を逃したことです。これほど力強いスタートを切ったチームですから、序盤からの爆発的な勢いで経験の浅い選手たちをプレーオフに導き、成長させてくれることを期待していました。しかし、スプリット後半でわずか2勝を獲得した後、序盤のサクセスストーリーは惨事へと転じました。IGは将来有望なチームで、多くのファンがChau “YSKM” Shu Takの個性を度々垣間見ることができました。このスプリングスプリットで学んだことを活かし、サマースプリットで復活してくれることを願っています。
成績ではLPLのビッグ3より劣るものの、4位の代表チームであるWeibo Gamingを応援し、期待する声も多く聞かれています。昨年末、DRXは4位のチームでも最大のステージで確実にステップアップできることを証明しましたが、WeiboがMSIの2つの出場権のうち1つを獲得するには、高いハードルを越える必要があります。敗因のいくつかは、Kang “TheShy” Seung-lokの実験好きな性格と、対Top Esports戦でのニダリートップのような、変わったピックに起因しているのかもしれません。このような要素は、試合が予定よりも長引き、結果的に負けてしまう原因となると言われています。しかし、Hung “Karsa” Hao-Hsuanはジャングラーの役割をうまく果たしているものの、EDGで同じ役割を務める“Jiejie”の方が効率的と言われているのも事実です。確かにWeiboのそれぞれの役割は対戦相手に挑むだけの力があり、チームとしての強さはうまく調和してメンバー全員に広がっているように感じられます。ただ、チーム全体で見た実力は、これから挑むべき相手には及ばないように見えます。このチームが優勝するには、番狂わせが必要になるでしょう。
総合的には、“Scout”の動きや“Ruler”の登場によって今年のLPLは確実にレベルアップしており、国際的なステージで攻撃力を発揮するためのポテンシャルも高まっていると思います。Worlds 2022で圧倒的な存在感を示したLCKの実力に代表2チームが対抗できるのか、見守ることにしましょう。
- 記事:LoLベッティング入門