15分経過時点のゴールド差(GD@15)のスタッツで、LoLの試合における15分経過時点でのゲーム状態を追跡できます。この記事では、GD@15の概要とGD@15をベッティングのコンテキストで活用する方法について説明します。詳しくは、こちらの記事をお読みください。
リーグ・オブ・レジェンドにおける15分経過後のゴールド差
リーグ・オブ・レジェンドにおいてゴールド差はゲーム中チームの強さの差を表すのに最も使われる指標です。そして15分経過時点でのゴールド差(略称「GD@15」)はゲーム開始から15分経過した時点における2チーム間のゴールド差を追跡する指標です。この指標は、チーム、アナリスト、コーチがゲーム序盤でのチームのパフォーマンスがどのようなものかをマクロ的に把握するために使用するもので、このゲーム序盤のパフォーマンスによって、ゲームの中盤および終盤のパフォーマンスにどのようにつながるのかを知ることができます。
GD@15スタッツは、1対1の試合がどのように展開されるか、チームがゲーム序盤で取り得る戦略はどのようなものか、そしてチームがシーズン全体にわたってどのようなパフォーマンスを見せられるかを評価するのに役立ちます。
EGRモデル
ここからのセクションを理解しやすくなるように、Tim Sevenhuysen (OracleElixir)が作成したゲーム序盤評価モデルについて詳しく説明しておきましょう。EGRモデルは、ロジスティック回帰モデルに基づいており、約800件のプロフェッショナルゲームのデータを使用して、15分経過時点でのゲーム状態に基づくチームの勝利確率を予測するものです。
EGRモデルでは、15分経過時点でのゴールド差(GD@15)と15分経過時点でのドラゴンの差(この変数はLoLに存在する4種類のエレメンタルドラゴンに分類されます)という2つの独立変数とチームのマップサイドを表すインジケーター変数を使用します。
EGRモデルによって生成された評価は、ゲーム開始から15分経過時点まで(いわゆる「ゲーム序盤」)のチームのパフォーマンスを示しています。
GD@15が重要な理由
初心者の観点からはGD@15スタッツが重要な理由は見えにくいのですが、EGRモデルはGD@15が勝利確率を予測するための強力な武器になり得ることを私たちに教えてくれます。簡単に言うと、チームのGD@15がプラスである場合は試合に勝つ可能性が高くなり、一方でマイナスの値では勝つ可能性が低いということになります。
Tim Sevenhuysenが2019年のプロフェッショナルプレイのデータを使用して作成したEGRモデルは、ゲーム状態が同じであるという前提の下でGD@15がチームの勝利確率にどのように影響するかに関する興味深い知見を与えてくれます。
モデルに示されているように、ゴールド差が+750の場合、勝利確率は60%になります。+1500の場合は、さらに10%上がって70%になります。これらの勝利確率は15分経過時点でのゴールド差にのみ基づいていることに注意してください(EGRモデルには15分経過時点でキルされたドラゴンの数とチームの開始サイドに関する条件があり、それらを使用するとさらに正確な勝利確率を求めることができます)。
Cloud9 (C9)を例にEGRモデルをテストしてみましょう。C9はLCS 2020スプリングで17勝1敗の勝率94%を達成しました。C9のスプリング全体での平均GD@15は+2712でした。すなわち、C9の仮説上の勝率は84%になります。実際の成績より10ポイント低い数字です。10ポイントの差は、C9のドラゴン制御率(DRG%)が80%であることを考慮すれば狭まります。C9が1試合で1体のインファーナルドラゴンを獲得し、チームの平均GD@15を達成すれば、C9の勝利確率は84%から91.9%に上がります。これは先ほどよりもずっと近い予測であり、誤差の許容範囲内です。
GD@15をリーグ・オブ・レジェンドへのベットに役立てる
ベッティングの観点から見ると、GD@15スタッツはプレマッチやインプレイの分析に非常に有益です。プレマッチのシナリオでは、ベッターは2チームの1試合あたりの平均GD@15を収集することで、チームがゲーム序盤で有利な立場に立つかどうかを評価できます。このプレマッチの比較は、試合のトータルマーケットまたはハンディキャップマーケットにベットする場合に特に役立ちます。
一方、インプレイベッティングは、eスポーツベッティングに参加する方法としてますます人気が高まっています。そのため、GD@15はLoLの試合にライブでベットする人々にとって貴重なインサイトになります。チームのパフォーマンスに関するリアルタイムの指標を提供するとともに、ベットがベッターに価値提案をもたらすかどうかを示すからです。
この記事では、GD@15がベッティングに役立つ情報になり得る理由について説明していますが、GD@15は単体で使用すべきではなく、チームのパフォーマンスと勝利確率に関する全体像に拡充するためにドラゴン制御率(DRG%)やバロン制御率(BRN%)などの他の重要な指標と組み合わせて使用すべきです。