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2 13, 2021
2 13, 2021

神の地位へ:Giliusがもう1つの奇跡を起こす

戦う悪魔

奇跡の男

プレイヤーErberk "Gilius" Demirの特徴

神の地位へ:Giliusがもう1つの奇跡を起こす

"GodGilius"と呼ばれるようになったLECのルーキー、Schalke 04のジャングラーErberk “Gilius” Demirは、リーグのベストプレイヤーとしての地位を確立しました。Jack Stewartの記事で、彼が頂点に立つまでの話をお読みください。

Erberk "Gilius" DemirはLECプレイオフ決勝に一度も参加したことがないにもかかわらず、競争の激しいLeague of Legendsで複数の世代のファンによく名前を知られています。

彼のプレイスタイルは、ゲーム外での彼の性格のように派手で大胆です。大胆でクリエイティブなプレイから、ソーシャルメディアでの率直な態度まで、“Gilius”はSchalkeのモットー「Null Fear(恐れない)」を体現しています。

Week 2で、SchalkeはSK Gamingを相手に念願の勝利を果たしました。ゲーム後のインタビューで、“Gilius”はドクタームンドを選んだことについて敵のルーキーKristian "TynX" Ostergaardを躊躇なく批判し、このプレイヤーの唯一良かった点はRedditのモンタージュ写真だったと言ってのけました。

“Gilius”自身、Redditで様々な経験をしています。ワイルドで攻撃的なプレイスタイルにより、致命的なミスをする傾向があり、結果的に彼はキャリアを通じて容赦ない批判を浴びてきました。

映画『ダークナイト』に「ヒーローとして早死にするか、長生きして悪者になるか」という有名なセリフがありますが、これは“Gilius”とはまるでかけ離れています。彼はやめることを拒む愛すべきアンダードッグへとゆっくりと変わっていきました。

“GodGilius”というのは、コミュニティが皮肉を込めてつけた呼び名で、彼の癪にさわる自信家ぶりやいつも彼が試みる大胆なプレイを揶揄するものでした。しかし、昨年Schalkeにとてつもない影響を与えたことで、“Gilius”は純粋な意思を通してそのミームをポジティブなものに変えました。

昨年LoL eスポーツを観戦していた人なら、ヨーロッパを震撼させた「Schalkeの奇跡」現象をご存じのはずです。しばらく苦戦した後、Schalkeのシーズンは途中で終わるかに見えましたが、“Gilius”の交代によってチームは神がかったようにプレイオフ候補へと変わったのです。

そのような奇跡を起こした“Gilius”ですから、7年目になろうとするキャリアの中で多くのことを成し遂げてきたと思われても不思議はありません。しかし、これまでの彼の物語は「あと少し」で、“Gilius”は多くの場合でトップレベルのかなり惜しいところにいました。

この24歳のジャングラーは常に挫折だらけのジェットコースターのようなキャリアを歩んできましたが、決してあきらめませんでした。キャリア最盛期の今こそ、“Gilius”にとって彼のアンチが間違っていることを証明し、LoL World Championshipに出場する絶好のチャンスです。

戦う悪魔

“Gilius”はWorldsトーナメントへの出場資格を正式に獲得したことはありませんが、そこでのプレイがどんなものか少し体験したことがあります。

“Gilius”は2014年にプレイヤーとしてのキャリアをスタートさせ、SK Gaming PrimeとUnicorns of Love (UoL)のプレイヤーとしてEuropean Challenger Seriesに参戦しました。Unicorns of Loveで好印象を残し、SK Gaming Primeでコネクションを作った後、プロプレイヤーとして1年目に一生に一度のチャンスが訪れます。

SK GamingのメインチームがWorldsへの出場資格を獲得しましたが、チームメンバーのジャングラーDennis "Svenskeren" Johnsenがトーナメントの最初の3試合への出場を禁止され、国際大会の優勝のチャンスに暗雲が立ち込めたのです。どのチームも代理のプレイヤーを必要としていた中、“Gilius”もたまたま台湾でチームに呼ばれていました。

Challenger Series以外でのプレイ経験がない駆け出しの新人にとって、これは難しい注文で、“Gilius”が参加したどのゲームでもSKは勝つことができませんでした。とは言え、これは間違いなく貴重な経験であり、高い評価を受ける有望なプレイヤーとしてのキャリアに弾みがつくと思われました。

一方で、大きな障害も現れます。“Gilius”のキャリアを繰り返し苦しめているライバルMateusz "Kikis" Szkudlarekです。ポーランド出身のジャングラーである彼は、実に4回も“Gilius”のポジションを奪いました。

これは驚くべき偶然であり、コミュニティ内での笑い話なのですが、“Gilius”がKikisと交代させられたときに必ず彼のキャリアにとって重要な出来事が起こっているのです。2014年のUoLと2015年のGamers2 (G2)の両方で、“Gilius”はチームの昇進(少なくとも昇進のチャンス)に貢献しましたが、成果が出る前にKikisと交代させられました。

“Gilius”のキャリアで最もほろ苦い瞬間は、2018年、Team Vitalityで訪れました。他の3人のルーキーとともに、“Gilius”は重要な年を迎え、前半のゲームではリーグの他のチームを恐れさせ、Spring SplitのWeek 4の終わりまで7-1という素晴らしい記録でチームの1位に貢献していました。

彼の攻撃により、Daniele "Jiizuke" di Mauroなどの若手が成功し、地域の強豪チームに挑戦できるようになり、Vitalityはレギュラーシーズンとプレイオフの両方で4位というまずまずの順位を獲得しました。

しかしながら夏の間に調子は崩れていき、Week 6までに“Gilius”は再びKikisと交代させられたのです。この交代は最終的にうまく働き、Vitalityはヨーロッパの2番目のシードとしてWorld Championshipへの出場を決めました。一方“Gilius”は自宅から観戦せざるを得ませんでした。

“Gilius”はWorlds出場まであと少しでしたが、昨年Schalkeでさらに惜しいところまで迫りました。

奇跡の男

Schalkeの2020シーズンはLECファンの記憶に刻まれるものとなりました。その年、最初の6ゲームで負けた後、チームはKonstantinos-Napoleon "FORG1VEN" Tzortziouと“Gilius”の両方をベンチに下げ、”Gilius”はアカデミーチームに降格となりました。

いつもの“Gilius”流で、彼は冷静に挫折を受け止めました。後に“Gilius”は、SchalkeのAgainst All Oddsドキュメンタリーでこれをチャンスととらえていたことを明しています。「その時はとても悲しかったが、下位リーグから這い上がるチャンスだとも思った。とにかく前向きに考えて、LECから少し離れて、もっと強くなって戻ってこようと。そう思いました。」

その年のSummer Splitで、2回目のチャンスがやって来ます。Schalkeは再び0-6になり、Week 3の2回目のゲームの前にLukas "Lurox" Thomaが病気になってしまいました。“Gilius”は呼び戻され、自分の場所を作り出しました。

シーズンのドキュメンタリーで、元チームメイトのAndrei "Odoamne" Pascuが「突然こいつのプレイが良くなったんだ」と大声で話しました。

「春に彼が外されたのは、彼がスタンドプレイをするので、相手に気づかれて追い込まれ、やられてしまうだろうという理由だった。でも今は、その問題を克服したらしい。まだソロプレイをしたがるが、彼が『こうしたい』と言ったときに周りが『だめだ、やめろ』と叫べば、言うことをきく。」

「彼のそうした側面が変わって、本当に良くなったように思う。以前は味方というより、弱点のように感じていた。」

“Gilius”が自分の攻撃性をうまく武器にすることを学び、Schalkeは結果を出し始めていましたが、プレイオフへの出場はまだ遠い夢でした。Week 5の後、チームは1-10という悲惨な記録でしたが、G2 Esportsとのゲームでの意外な勝利を含め、4ゲームで連勝して最後の3ゲームを残して5-10となりました。

その時点で、チームがプレイオフに出場できる可能性はわずか4%でしたが、“Gilius”のモチベーションは失われませんでした。試合後のインタビューで、コーチのDylan Falcoはジャングラーがチームにもたらした「ポジティブなエネルギー」を称賛しました。“Gilius”が勝利のたびに椅子から跳びあがると、それは容易に見て取れました。

SchalkeはFnaticとMAD Lions戦で大番狂わせを起こし、7連勝を飾り、トップ6の仲間入りを果たしました。“Gilius”がこの逆転に大きく貢献したことは間違いありません。6ゲームに参加しなかったにもかかわらず、彼はLECのすべてのジャングラーの中で最高のキルシェア(27%)と2番目のキル数(48)を記録しました。

SKに難なく勝った後、SchalkeはWorlds出場までベストオブファイブ形式のシリーズであと1勝だということに気づきました。しかし、チームは負けてしまいます。“Gilius”とチームメイトはらしくないミスをして、すべてを失いました。Schalkeのプレイヤーたちは、シリーズを通して自分たちがコントロールできているように感じていましたが、MADに3-1で負け、彼らのシーズンは無残な結末を迎えました。

一生懸命戦ってきたチームにとってつらい敗北でしたが、“Gilius”はそれでも挫けませんでした。彼はドキュメンタリーで、2018年の春以来初めてトップレベルのベストオブファイブマッチでプレイしたが、自分ができることは負けから学び、前進することだと述べています。

そこから今があります。“Gilius”はSchalkeと新しい契約を結びました。そして2人の才能あるプレイヤー、トップレーナーのSergen "Broken Blade" CelikとサポートのDino “LIMIT” Tot もチームに加わりました。

1年目のAstralisを除いて、SchalkeはWorldsに出場したことがない2つのLEC組織の1つです。もう1つはプレイオフデビューを待っているExcel Esportsです。

リーグには才能あるプレイヤーがたくさんおり、Worldsへのうんざりするような長い道のりにひるんでしまうでしょう。しかし、“Gilius”とSchalkeは今シーズン再びG2に衝撃を与え、次のWorldsへのチャンスを見据えています。

このジャングラーのパフォーマンスは“God”の呼び名にふさわしく、“Gilius”はWorldsという天国への階段の最後の一段を上ろうとしています。

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筆者について

Kristian Medina
デモントフォート大学で英語とメディアを学んだ、Pinnacle eスポーツのライター兼ビデオグラファー。League of Legendsに関して頼りになる人物です。
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