14か月遅れで、Dota 2ファンはついに、記録的な賞金総額$4,000万をめぐる世界中のトップチームの戦いを目撃することができそうです。プレイヤーにとって、重要なのは人生を一変させる賞金だけではなく、世界最高のDota 2チームという名誉を獲得することなのです。優勝チームはその名がAegis of Championsに永久に刻み込まれます。The Internationalの復活を歓迎しましょう。
過去3回のThe Internationals (TI)と同様に、今回も18チームが競います。チームの内訳は、Dota Pro Circuit (DPC)からのポイントで参加資格を得た12チームと、地域予選を突破した6チーム(各地域1チーム)です。以下に地域ごとのチームを示します。斜体で書かれているのが、地域予選からの勝ち上がりです。
- 西ヨーロッパ:Team Secret、Alliance、OG
- 東ヨーロッパ:Virtus.Pro、Team Spirit
- 北米:Evil Geniuses、Quincy Crew、Team Undying
- 南米:beastcoast、Thunder Predator、SG Esports
- 中国:PSG.LGD、Invictus Gaming、Vici Gaming、Team Aster、Elephant
- 東南アジア:T1、Fnatic
正式にはまだ確定していませんが、The International 10 (TI10)は、過去の大会と同様の形式で行われるというのが大方の予想です。その場合、9チームずつの2グループによる、ダブルラウンドロビンのグループステージで始まります。グループステージは、わずか4日間で約144マップをプレイするという強行日程で行われるため、チームは、全員がこのイベントのために準備したゲームプレイのスタイルにすばやく適応する必要があります。
各グループの上位4チームはプレイオフの勝者のブラケットにシードされ、それに続く4チームがプレイオフの下位のブラケットに進みます。各グループの最下位のチームはその時点で敗退します。プレイオフのブラケット自体は、ダブルイリミネーションの16チームのブラケットで、すべての試合が2本先取のベストオブ3方式でプレイされます。ただし、下位ブラケットの試合の最初のラウンド(ベストオブ1)と、グランドファイナル(上位アドバンテージのないベストオブ5)を除きます。
The Internationalの準備
パンデミックにより、長い期間、国外への移動が制限されていたため、過去18か月間、Dota 2の試合は、地域の大会に偏っていました。事実、この期間、Major LANイベントは2回しか開催されておらず、そのいずれか(または両方)に参加したチームもわずか21チームだけでした。そのうち14チームがTI10への出場資格を得ていますが、Majorに1度出場したFnaticとTeam Spiritは、TI10に参加するために地域予選に回る必要がありました。
Elephant、Team Undying、Team OG (2度のTI優勝経験を誇る、現在のTIチャンピオン)、およびSG EsportsはいずれのMajorにも出場していませんが、TI10の参加資格を得ました。全体としてこのような状況は、TIにとって非常に珍しいことです。通常、地域間のLANイベントがDota 2の情勢を支配し、どの地域でも混戦となることが多いのです。4チームがLANで1度もプレイすることなくTIの参加資格を得たという事実は、まったくもって異例です。
Majorの結果
Singapore Major (最初のMajor)が始まるまで、ファンのお気に入りは明らかにTeam Secretとヨーロッパのチーム全般でした。Team Secretはまずまずの成績(4位で終了)を収めましたが、皆を驚かせたのは中国のチームでした。優勝したのはInvictus Gamingで、PSG.LGDも3位に入ったのです。2位に入ったのはEvil Geniusesで、ファン(ヘイター)の予想を大幅に上回りました。ファンの意見は中国のチームが最高だったということで一致し、それはそれ以来変わりません。
WePlay AniMajor (2番目のMajor)も似たような結果でした。中国のチーム(今回はPSG.LGD)が優勝し、別の中国のチームがトップ4入りして(Vici Gaming、4位)、Evil Geniusesが再び2位に入りました。このとき、皆を驚かせたのは3位に入ったT1でした。
The International 10の優勝候補
TI10の参加チームで明らかに人気が高いのはPSG.LGDで、Pinnacleでは優勝に3.25*が、決勝進出には2.30*のオッズが設定されています。Majorの両大会で上位3位に入り、2番目の方ではエネルギッシュなパフォーマンスを見せつけました。それ以来、コーチをスタンドインとしてプレイしたにもかかわらず、第三者のイベントで3回連続で決勝に進出しました。チームの各プレイヤーは各ポジションの最優秀選手の最終選考に残っています。おそらく最大の強みは、他の強豪チームとの対戦経験が多く、どのマッチアップにも勝算があることです。
一貫性を重視するなら、Evil Geniuses (優勝が6.630*、決勝進出が2.92*)がお勧めです。彼らが2位に入ることを予測しない人がどのように間違っているかについて、すでにオンラインで広まっているミームがあります。パンデミックの混乱の中で、Evil GeniusesはDPC Seasonが始まる前、3か月間、Dota 2の活動を停止していました。その後にようやくDPCイベントでプレイしたのです。彼らは実際、1年以上、DPC以外のイベントでプレイしていません。ただし、チームはチャンピオンチームになるために必要なあらゆる準備をしています。彼らにとって、イベント全体を通してパフォーマンスを維持できるかどうかの問題にすぎないのです。
前に述べたように、Team Secret (優勝が7.430*、決勝進出が2.920*)は、第三者のイベントでの好成績により、DPCプレシーズンで最も注目を集めたチームでした。これまでで最高のチームパフォーマンス評価を獲得し、連続して6回のトーナメントで勝利しました。さらに、Allianceが持っていた100ゲーム中の勝利数の7年前の記録を塗り替える(83回の記録を上回る87回)など、高評価の理由は枚挙にいとまがありません。
TI10の出場資格を得てからパフォーマンスは著しく悪化しました。しかし、多くの人はこれをイベントに備えて準備している途中であり、注目を集めずにイベントに参加するための策略であるとみなしています。いずれにしても、厳しいTI10のトレーニング期間の前に長期的な休暇を取ることは、過度の疲労を軽減するために理にかなっています。
この3チーム以外にも、残りの中国のチームはすべて、非常に頻繁に対戦している(6チームすべてが、中国で行われたTI9以降、最もプロフェッショナルな試合を行っている)という事実から脅威的な挑戦者です。Invictus Gaming (優勝が10.930*、決勝進出が7.19*)およびVici Gaming (優勝が10.990*、決勝進出が4.520*)はいずれも、Majorで結果を出して出場資格を得ていますが、本当に謎に満ちているのはElephant (優勝が10.320*、決勝進出が4.520*)です。Elephantチームが最初に発表されたとき、数か月以内に中国のトップチームになることが期待されていました。進展はゆっくりですが、間違いなく注目すべきダークホースです。
地域としての中国も、「優勝チームの地域」マーケット(現在1.961*)を引っ張っています。Team Aster (優勝が22.83*、決勝進出が9.89*)は、中国のチームで私が最も下降気味とみているチームです。彼らはローカルのDPCイベントで、両方のMajorへの出場資格を得ましたが、Majorでの成績は芳しくありませんでした。
魔法を信じるなら、OGの連続3回目のTI優勝を検討してみてもいいでしょう(現在、優勝が7.95*、決勝進出が4.130*です)。これは本当に大胆な試みになりますが、それこそがOGが活躍する環境だと思います!
*オッズは変更される場合があります。