Dota 2エキスパートのBen "Noxville" SteenhuisenがPGL Arlington Majorに向けて準備万端です。ということは、私たちもですね! “Noxville”が大会参加チームについて調べ、C-Tierから、ボードトップのS-Tierの上位4チームまでランク付けしました。各チームのランクについてお読みください!
PGL Arlingtonは予想とプレビューが常に難しいイベントの1つであり、今年も例外ではありません。参加資格のあるプレイヤーの多く(10人)にビザの問題があり、1チーム(Xtreme Gaming)がすでにイベントを辞退しています。そのため、イベントの結果を予想するのは少し難しいのですが、これはThe Internationalの予選であることを考えるととんでもないことです。それでも、(執筆時点での各チームの状況に基づいて)各チームの勝算を見直し、Tierにランク付けしました。Tierと各チームの情報を確認していきましょう。
C-Tier
今シーズン、beastcoastとThunder Awakensの両チームはDPCローカルリーグで素晴らしい成績を収め(どちらもすべてのツアーで上位3位に入りました)、The Stockholm Majorは5-6位で終わりました。そうは言っても、ローカルでのパフォーマンスを国際大会のそれと比較するのは常に困難です。動きが激しいトーナメントのメタゲームを考慮するとなおさらです。たとえば、Thunder Awakensは今回のパッチのTemplar Assassinで12勝0敗、Weaverで17勝0敗と燦然たる記録を残していますが、このパフォーマンスが国際舞台でも続くものでしょうか。
とは言え、両チームともTI出場権に関しては好位置に付けているので、出場枠に入るためにArlingtonで大勝する必要はありません。Thunder Awakensは、Herrera "Darkmago" Gonzaloが欠場し、後任のプレイヤーは分かっていません。
EntityがTI出場権を直接獲得することはもう不可能です。たとえArlingtonで1位になっても、上位12チームには入れないからです。キャリープレイヤーのIvan “Pure” Moskalenkoをチームに帯同させることができず、後任はTSMのJonas "SabeRLight-" Volekになるため、ArlingtonがTI Regional Qualifiersの予行演習になることさえないでしょう。
Xtreme Gamingに次いでビザの問題の被害を受けているのがFnaticです。Fnaticでは、3人のプレイヤーが参加できません。後任は、正式な確認は取れていませんが噂では、TSMプレイヤーのEnzo "Timado" O'Connor、 Jonathan "Bryle" Guia、Kim "DuBu" Doo-youngの3人になりそうです。現在はTI出場枠内の10位に付けていますが、3チームに抜かれて脱落する可能性は十分にあり、安心はできません。
今回のトーナメントでは、チームスタイルとチームワークで最後の力をぶつけるだけの結果に終わるかもしれませんが、純粋に個人の才能で、力を振り絞って出場枠に滑り込むか、ライバルを抑え込むことができる可能性もあります。
B-Tier
Natus Vincereが集まったのは前回のツアーの間だけです。6勝1敗で1位タイとなり、タイブレークでEEU総合2位となりました。ポイントでTIに出場できる可能性は非常に低いですが(私の計算では可能性は約1%)、今回は、チームがLAN環境でのプレイを経験する機会となるので、プロとしての経験が比較的少ないGeorgii "swedenstrong" Zainalabidovにとっては特に意味があります。
豆知識:Alexey "Solo" BerezinとVolodymyr "Noone" MinenkoはDota 2史上4番目に経験豊富なペアであり、一緒に1,398ゲームをプレイしています。Lin "Xxs" JingとYe "BoBoKa" Zhibiaoは1,509 ゲームで首位、Zhang "y`" YipingとZhang "Faith_bian" Ruidaは1,406ゲームで3位で、どちらのペアもArlingtonに参加します。
Quincy CrewはTour 3に向けて選手登録名簿を見直すという大きな決断を下し、Quincyの元メンバーのArif "MSS" AnwarとRodrigo "LESLAO" Santosの2人に加えて、Adrian "Fata" Trinksも呼び戻しました(当時は、Tal "Fly" Aizikが加わると噂されていましたが、代わりにEGに再加入しました)。Tour 3のレギュラーリーグについて言えば、EGに負けたことを除けば非の打ち所がありませんでした(1-3位のタイブレークでも同じことが起こったものの、Quincy Crewは今回のMajorの出場切符を手に入れました)。
私がこのチームを高く評価している理由は、今回のQuincy Crewの選手登録名簿が、長期間にわたって国際舞台でまずまずの成績を維持してきた選手登録名簿と基本的に似ているからです。変更点は、Avery "SVG" Silvermanが抜けて、“Fata”が入っていることだけです。
Talon Esportsは、直接ポイントで出場権を得るチャンスを得るためには3位以内に入る必要がありますが、それでも十分ではないかもしれません。シーズン開始時はDivision 2でスタートし、Tour 1で昇格できず、プレイヤーを一部入れ替え、Tour 2で激闘の上昇格し、最終的にはTour 3リーグを(1位を賭けたタイブレークの後) 2位で終えました。ポイントを獲得する機会は得られませんでしたが、それでもArlington Major (ここでなければ、次は地域予選)では脅威となるでしょう 。
Nuengnara “23savage” Teeramahanonのほとばしる才能とDamien "kpii" Chokが発揮するプロとしての経験(プロ競技の1,629 ゲームでプレイ)の組み合わせは見ものです。Since Worawit "Q" Mekchaiがビザの問題で参加できないため、Kenny "Xepher" Deoがサブとして参加し、同郷のインドネシア人のRafli "Mikoto" RahmanとBrizio "Hyde" Budianaと一緒にプレイするでしょう。
豆知識:このパッチのBrewmasterで8勝0敗の記録を持つ“kpii’s”には注目です!
A-Tier
Royal Never Give UpとAsterには共通点があります。両チームとも高い技術を持ち、競争が非常に激しい地域でプレイしています。China Tour 3ではそれぞれ1位と2位でしたが、今回のトーナメントでPSG.LGDの方が上位にきても驚くには当たりません。
両チームとも中国国外でプレイしたことはほとんどなく、RNGがRiyadh Masters (結果は5-6位でしたが、Team Spiritに対してわずか1敗でした)に参戦したことがあるだけです。Daniel "Ghost" Chan Kok HongがArlingtonに出場できないため、TIで2回優勝している Anathan "ana" Phamが代わりにプレイします。
Arlingtonに参加する全チームの中で、今シーズンはBOOM Esportsが最も多くのプロの試合 (133)をプレイしています。8位以内に入ればTI出場権が得られますが、すでに比較的安全な位置に付けています(5チームに抜かれる必要があり、8位以内に入れる可能性があるのは5チームで、残りは8位より上位に行く必要があります)。
前回のメジャーでは、少し持ち上げすぎましたが、前回のメジャーの状況はチームにとって不運だったように思います。会場到着が開幕直前となり、グループステージでもどかしい思いをし、最終的に1回戦の下位ブラケットでOGと対戦することになったからです。今回のメジャーでは、ずっと余裕を持って到着して準備を行い、Galaxy Gamer Dubai Invitationalのように腕前を披露できることを願っています。
Evil GeniusesのDPCの順位はBOOM Esportsよりもがわずかに下回っています。BOOM Esportsよりもランクが1つ下ということは、TIの地域予選突破が必須となる状態になりやすいということです。とは言え、選手登録名簿に非常に経験豊富なプレイヤーを揃えており、今回、好成績で出場権を得ることは間違いないでしょう。
好きか嫌いかは別として、Kanishka "BuLba" Sosale’sのコーチングのおかげで、チームはゲームに勝つための安定したプラットフォームを手に入れるでしょう。また、“Fly”が選手登録名簿に返り咲き、各ステップでガイドするインゲームリーダーとして加わります。EGが絶好調なら、A-Tierに分類するのはとんでもない過小評価であり、トップを狙うこともできます。
Team LiquidはDPCポイントランキング13位と危険水域にいます。今シーズンは、DPC地域リーグを通じて、ヨーロッパで素晴らしい活躍を見せています。Stockholm MajorのプレイオフでBetBoomを倒していれば、95%以上の確率でTIへの出場権を獲得していたのでしょうが、そうではないため、Arlingtonがラストチャンスです。8位以内に入れば十分可能性があります。
このチームには明らかなプレイヤー不足も戦略的な弱点もありません。最低でもベスト8を目指して意気込んでいます。
豆知識:Michael "miCKe" VuはこのパッチのEmber Spiritで0勝6敗の記録があるので、Liquidファンなら、Ember Spiritを選ばないことを望むでしょう!
Outsidersは20勝6敗(76.9%)の記録があり、今シーズンは総合的にどのチームよりも良い成績を残しています。サンプルは少ないものの、Spirit (3勝0敗)、BetBoom (2勝1敗)、MindGames (2勝0敗)など、地域の大きなライバルのほとんどに勝っています。レギュラーシーズンでNAVIに負けましたが、タイブレークでリベンジし、本戦出場権を獲得しました。Ivan "Pure" MoskalenkoからRoman "RAMZES666" Kushnarevへの交代は完全にはまったようで、このような恐ろしいチームはたまにしか現れません。唯一の問題は、他チームがこのチームのプレイ方法を理解し、倒すまでに、どれだけ長く、自分たちのスタイルでプレイできるかということです。
S-Tier
4位
Team Spiritは今シーズン低迷しているのは明らかです。3つのツアーで1位、2位、3位となり、Stockholmでは9-12位と、どちらかと言えば驚きの結果となりました(プレイオフでbeastcoastに負けました)。
結果が最も良かった2試合はDPC以外のイベントでした。Riyadh Mastersで2位(PSG.LGDとグループが同じだったので、決勝まで進むのが比較的楽だったということはありますが)、Gamer Galaxy Dubai Invitationalで4位(Nigmax Galaxy SEAとOGにベストオブ3で2勝)でした。TI10から、スキルレベルが非常に高く、どのチームにも勝つ能力があることは分かっています。前回のメジャーのように崩れることもあり得ますが、ここは敬意を表して、Arlingtonではベスト4に入る可能性が高いとしておきましょう。
3位
Tundra Esportsは前回のメジャーでは勢いのまま、グループステージを11勝1敗で突破し、プレイオフで2連勝してUpper Bracket決勝に進出しました。そこでTSMに負けました。この不本意な結果を一蹴して、Grand FinalsでTSMと再戦することを多くの人が期待していましたが、残念ながら、OGに敗北しました。
Wu "Sneyking" Jingjunは10分あたり平均4.35アシスト(総合1位) を記録し、このイベントで最も注目されたプレイヤーとなりました。Leon "Nine" Kirilinの統計データも素晴らしく、10分あたり2.26キル(BOOMの10分あたり2.46キルに次いで2位)とキル関与が極めて高い値でした。その後、西ヨーロッパの地域リーグで優勝(6勝1敗)しましたが、Riyadh Mastersでは残念な結果でした(ただし、スタンドインでのプレイでした)。
2位
ESL Stockholm Majorと同様、OGはSebastien "Ceb" DebsをMikhail "Misha" Agatovのスタンドインとして使うでしょう。今回は中国が参加するため、違う展開になるでしょう。OGが長期戦のLower Bracketを戦うことを計画しているなら、今回はよりハイレベル、つまり、さらに難しくなるだろうということをチームは認めなければなりません。
OGはすでにTIの出場権を得ていますが、比較的若いチームなので、絶え間なく「前進し続ける」エネルギーを持っています。
豆知識1:Sebastien "Ceb" DebsはWindrangerで頻繁にプレイしており、その組み合わせはESL Stockholm Majorで最多となります(13試合に出場し、12勝1敗の成績でした)。
豆知識2:Artem "Yuragi" GolubievはESL Stockholmで16人の異なるヒーローをプレイし、これはプレイヤーの中で最多でした。
1位
PSG.LGDについての説明はあまり必要ないでしょう。重要な地域リーグと地域決勝でTI11の出場権を最初に獲得したチームであり、最近はLAN大会のRiyadh Mastersで優勝して花を添えました(TI10決勝で負けたTeam Spiritにリベンジしました)。最近の欠点は、いくつかのイベントで熱意に欠けていたことくらいでしょう。The Internationalが目下の大目標であり、それ以外のことはどうでもいいようです。