今年も残りわずかとなり、2023年のHLTVでのトップ20プレイヤーを予想する時期がやってきました。
この2部構成の記事の2022年度版は、2023年度版のベスト20を決定する悩ましい作業に比べれば、はるかに簡潔にまとめることができました。Team VitalityとFaZe Clanという2つのチームが全日程で圧倒的な強さを見せつけた一方、各大会ではG2 Esports、Heroic、MOUZ、ENCEといったチームが勝ち続け、上位チームの全勝優勝を阻止しました。
今年度版のリストの作成を非常に困難にしているもう1つの要因に、CS2 のリリースがあります。FaZeが驚異的なスタートを見せ、一刻も早くこの動きに関与したいというすべてのトーナメント主催者の思いもあって、IEM KatowiceとIEM Cologne両大会でのG2の優勝を忘れてしまいそうです。今年度の予想リストを作成する多くの人にとって最近のバイアスは大きく影響しますが、カウンターストライク2の初期のパフォーマンスと結果をどの程度この予想に取り入れればよいでしょうか? また、CS:GOの大会での勝利は、CS2の大会での勝利よりも価値の高いものなのでしょうか?
20位 - Casper "cadiaN" Møller
2023年、Heroicは2022年と変わらぬ卓越したチームプレーを披露しました。複数回の準優勝とBLAST Premier Spring Final 2023での優勝により、Heroicは今年前半にはベストチームの1つのように見えました。残念ながらチームは2023年後半に解散しましたが、“cadiaN”はBLAST Premier Fall Final 2023で寄せ集めのチームを率いてAstralisを倒し、再びリーダーとしての資質を見せつけました。
カウンターストライクで悪役を演じ、組織のヒーローとして大会を終えることができるプレイヤーはほとんどいませんが、“cadiaN”はその1人です。彼はAstralis以外のデンマークのチームを数か月で世界に誇るチームへと変えました。それも、多くの重要な場面でチームを背負いながら成し遂げたのです。2024年にはLiquidに移籍し、メジャー制覇という新たな目標に挑むことでしょう。
19位 - Jonathan "EliGE" Jablonowski
“EliGE”はCS2を我がものにしたプレイヤーです。Liquidでは成績の振るわなかった彼は、Complexity Gamingに移籍することを決意しました。彼にとっては、かつての調子を取り戻すために必要な変化でした。大きな大会でトップ20の相手と対戦した際のHLTVレーティングの平均は0.99でしたが、Complexityへの移籍後は1.19にまで上昇したのです。
CS2での見事な活躍により、“EliGE”は多くの人のリストで上位に入ることでしょう。CS2のリリース以降は、HLTVで1.23、Impactでは1.37という驚異的なレーティングを誇っています。ただし、このようなリストでは最近のバイアスが大きく作用します。“EliGE”がこのリストで19位に入っているのもそのためです。
18位 - Dzhami "Jame" Ali
Outsidersにとって2022年は素晴らしい年となりましたが、リオでメジャー制覇を果たしたこのチームは、2023年半ばまで選手登録名簿の入れ替えを続けていました。Virtus.proは定期的に選手登録名簿を入れ替えているものの、ESL Challenger Katowice 2023では当時絶好調だったENCEをなんとか破りました。選手登録名簿が定まりCS2がリリースされると、VPは2つの大会で優勝し、2度の準優勝と、1度の準々決勝進出を果たしました。この新たなタイトルにおけるVirtus.proの素晴らしいパフォーマンスを軽視することはできないでしょう。
そのプレイスタイルから、このリストに“Jame”を入れることを望まない人も多いかもしれませんが、トップ20と対戦する大きな大会では最高レーティングを記録し続け、HLTVでは1.15のレーティングで1年を締めくくっています。「JAME TIME」についての意見はともかく、VPが人々の心に残るチームであり続けるのは、“Jame”が指揮を執っているおかげでしょう。
17位 - Russel "Twistzz" Van Dulken
輝きを放つVan Dulkenにとって、この1年もまたカウンターストライクで活躍した年となりました。“Twistzz”はこのシーンで最も成功したプレイヤーの1人であり、2度のIntel Grand Slamを達成した唯一のプレイヤーでもあります。FaZeはマルタで開催されたESL Pro League Season 17で、長い間届かなかった残り1勝をつかみました。
統計的には最高の年とはなりませんでしたが、FaZeがカウンターストライク2で歴史的なスタートを切る上で、“Twistzz”は重要な役割を果たしました。 彼はどのチームにも安定感をもたらす重要人物ですので、2024年にLiquidから脱退することで非常におもしろい展開になりそうです。
16位 - Nemanja "huNter-" Kovač
“huNter-”は、このリストでは最も話題に乏しいプレイヤーの1人かもしれません。2023年にG2が残した成績はまちまちで、対戦相手として不相応であると言われた大会もありました。しかし成績が多少振るわなかったとしても、G2は参加した多くの大会で優勝候補に挙がっています。
IEM KatowiceとIEM Cologneで優勝すること、それも同じ年にどちらも優勝することは容易ではありません。“huNter-”はこの2つの大会で異例とも言える結果を残し、IEM KatowiceではHLTVレーティング1.21でMVPに輝きました。彼はIEM Cologneでもそのパフォーマンスを再現しましたが、従兄弟のNikola "NiKo" Kovačに圧倒されたことで、注目されなかったのかもしれません。
15位 - Benjamin "blameF" Bremer
このリストに“blameF”のようなプレイヤーを入れるとなると、話が少しややこしくなります。統計的には優れたパフォーマンスを発揮しているプレイヤーですが、主導したチームは、CCT South Europe Series 4以外の大会ではなかなか勝ちにつながらず、この大会での勝利もトーナメントでの優勝としてはあまり印象的ではありません。統計が(2023年にAstralisが出場した下位トーナメントの数によって)水増しされていると思う人も多いかもしれませんが、大きな大会でトップ20の相手と対戦した際のHLTVレーティング1.15を軽視することはできません。
“blameF”がこのリストに入るために必要なスキルを持っていることは証明されていますが、トーナメントでの優勝はリストに入れる上でどの程度重視するべきでしょうか? 最多勝を獲得したチームのプレイヤー5人全員を(個人の成績がこれに値していなくても)リストに入れるというほどではなくても、あまり望ましくない役割を担う素晴らしいプレイヤーが漏れてしまうことがない程度には重視する必要があるというのが私の考えです。新たなAstralisのメンバーがいかに頼りないものであるかを考えれば、2024年に“blameF”がトップ10に入ってもおかしくないでしょう。
14位 - Guy "NertZ" Iluz
2023年は、イスラエルのカウンターストライクプレイヤーがティア1のCSで名を上げた1年でした。この1年は、“NertZ”だけでなく、Shahar "flameZ" ShushanやLotan "Spinx" Giladiといったプレイヤーも好功績を残しました。
2月にENCEに招集された“NertZ”は、早速その影響力を発揮し、ESL Pro League Season 17で連勝を果たしました。快進撃は続き、IEM Dallasでは優勝し、複数回の決勝とプレーオフ進出を果たしました。CS2のリリースとチームの解散によってペースを落としたものの、大きな大会では並外れた能力を発揮し続けています。
13位 - Emil "Magisk" Reif
CS2のリリース以降のプレイ時間が十分ではない“Magisk”をこのリストに入れるのは悩ましいところです。この1年を振り返れば、彼は2023年のベストチームで安定したパフォーマンスを発揮したプレイヤーでした。再びメジャーを制覇し、サーバーのベストプレイヤーの1人に輝くことも何度かありました。
“Magisk”をこのリストに入れるべき主な理由の1つに、彼の後任をめぐる会話があります。この1年のほとんどの期間、“Magisk”は世界最高のアンカーでしたが、これは、Vitalityがこの重要人物の後任として誰を獲得できるのかがこのシーンで話題になっていたことからも明らかでした。
12位 - Martin "stavn" Lund
Heroicが最も安定感のある5人を擁するチームとして注目を集めた時にも、“stavn”はその仲間以上に輝きを放っていました。“cadiaN”のセクションで説明したとおり、 HeroicはESL Pro League Season 18の直後に問題を抱えることとなり、選手登録名簿は白紙に戻されました。この大会の前まで、“stavn”は大きな大会で平均1.16のHLTVレーティングを記録していました。
“stavn”とJakob "jabbi" NygaardがAstralisに移籍した今、Heroicは2024年がより素晴らしい年となるよう目標を定めているでしょう。
11位 - Helvijs "broky" Saukants
FaZeはファンが間違っていることを示そうとしています。このチームに注目していないファンならなおさらです。ESL Pro League Season 17で優勝し、Intel Grand Slamを獲得しましたが、これは2022年シーズン中にほぼ確定していました。この優勝以外では、FaZeの勝利の多くはCS2のリリース後でした。多くのAWP担当が移行に困難を感じる中、“broky”のスタイルはすぐさま適応できるものでした。これにより、FaZeはIEM Sydney 2023とCS Asia Championships 2023でタイトルを獲得できたのです。
派手なプレイヤーが称賛されるeスポーツタイトルにおいて、“broky”はその役割で傑出した存在です。彼は最も信頼できるAWP担当の1人であり、滅多にミスを犯すことがないプレイヤーです。
